茶席上生菓子『深見草』

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「煉切の注文をしたいのですが、いいですか?」

ここ最近、お客様から煉切のご注文が多くなりました。
それも直接「煉切」と、素材指定されることが多くなり
これも和菓子工房吉野のお客様のお好みなのだろうと感じています。

「毎週火曜日に煉切を5個」ご注文頂いている
お客様がおりまして、作り手にとっては中々の課題。
毎回、違う「菓子名」・「姿」・「色彩」・「中あん」を組み合わせて
ひとつの上生菓子を作り上げますが
ひとつの素材、煉切だけで
月に4種、年間48種の上生菓子づくりは
今までの上生づくりの技術を腕試しされているようで
身が引き締まる感じがします。
さらに言えば、刺激にもなります。
自らの持っている技術を駆使しそれを使い果たすことで
何か新しい技法を試んで、自分に取り込もうとするからです。

煉切は和菓子職人が腕を揮う「手作り菓子の極み」

本日の和菓子は
茶席上生菓子『深見草』 ふかみぐさ

今年の春に静岡伊勢丹デパートで開催された
イベント茶会「駿府各流大茶会」に納めた煉切製の牡丹です。
深見草とは牡丹の別名。

ご依頼されたお茶の先生や生徒さんたちにも
お褒めの言葉を頂きました。
薯蕷饅頭や包丁物とは
一味違う趣のある姿は優雅ですが
かなり大量のオーダーでしたので、肩もこりました(笑)

同じ茶席上生菓子といっても
容器に流したり蒸したりしたものを四角に包丁して仕上げる
いわゆる「包丁物」とは、だいぶ生産効率が違います。
煉切は比較的時間を必要とするので
手際よくサクサク仕上げるのも
和菓子職人として必要不可欠な技術なのです。


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Commented by ruru_kiki at 2010-05-21 22:28
吉野さん こんばんは*
わ~さすが吉野さん 職人技ですね~!
美しくって本当においしそうです!(語彙が貧困ですみません^^;)
息子が「煉りきりが食べたい」と言うので 
私も家で頑張って煉りきりを作ってみてはいるのですが
全くもって思ったようにはできあがらず・・・ーー;
やっぱり和菓子職人さんの技ってすごいな~と改めて感じております。
和菓子、特に煉りきりが載っている本って少ないし 本だけじゃよくわからなくって。
だからこうやって吉野さん作られたものを拝見出来るのがとても嬉しいです*
Commented by wagashi_yoshino at 2010-05-22 21:12
●ruru_kikiさん
ご家庭で煉切を作るruru_kikiさんは、それだけで素晴らしいです。
煉切好きな息子さんとご一緒に、和菓子屋さんで表彰したいくらいです。
お母さんの愛情こもった手作りのお菓子は、何より美味しいでしょうね。
この形の牡丹は、比較的簡単で量産性のある方です。薄紅煉切の中心だけ白ぼかしにして、小豆こしあんで包み、花びらの金型で花びらの先を起こして、木型の押し棒で牡丹の黄色いシベを付けます。
もっと、もっと、凝った牡丹を作る職人さんも沢山おりますからね。
Commented by ぐ~ at 2010-05-23 22:25 x
和菓子の王道、練り切りですね~。
あ~、ごっくんです。
深見草が牡丹の別名!勉強になりました!
Commented by wagashi_yoshino at 2010-05-24 22:13
●ぐ~さん
梅・菊・桜についで上生の煉切でも、お馴染みの花だよね。
何より作りの大振りの花は、煉切細工で表現しやすいんだと思う。
牡丹の花って別名も多く「富貴草」「富貴花」「百花王」「花王」「花神」「深見草」「二十日草(廿日草)」「忘れ草」「鎧草」など様々。
堂々と大輪の花を咲かせる様子が別名にも表れているようです。
Commented by マミー at 2010-05-24 23:32 x
日本の花の名前 色の名前などを見るたびに

情景や季節が込められているなーと感じます。

新茶の季節
美味しそうな練り切りを拝見して
和菓子でお茶の時間にしたいと思ってしまいます。
Commented by wagashi_yoshino at 2010-05-25 22:56
●マミーさん
つくづく季節の花や日本独自の和色の名は、ほんと日本人の感情や心に響く素晴らしい名前が付いていると思います。
今では車のボディカラーにも和名色が採用されていますよね。
この季節は特に新茶も出回って、煉切が美味しく頂ける時期なのかもしれませんが、よくよく煉切の注文が多いですよ。
Commented by cox-orange at 2010-05-26 23:16
わ~、綺麗ですね。ぼかしがとても上品。立体感のある仕上がりは、いろいろな器具やイメージ、そして技の賜物なのですね。

安定したものをきっちりと作られるプロの方は本当にすごいなあ・・・と思います。

Commented by wagashi_yoshino at 2010-05-28 12:17
●cox-orangeさん
煉切のテーマは実に広く、茶席上生菓子の情景、いわゆる花鳥風月から始まって、鮎や鯉の写実的なものや寿司や果物、日常のおかずを煉切で表現した変り種まで多種多様です。
四季の情景を簡略して上手くアレンジするだけでなく、逆にどれだけ忠実にそのものを似せるかで技を磨くこともあるのですね。
和菓子を「同じ規格、同じグレードで大量に作ること」もプロの業として必要不可欠なものかもしれません。
by wagashi_yoshino | 2010-05-21 01:22 | 新緑の頃 | Comments(8)

駿河湾の潮風に吹かれて。海辺の町の和菓子屋blog。手づくり工房から和菓子の愉しさ紹介します。


by wagashi_yoshino