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本日も和菓子日和です

駿河湾の潮風に吹かれて。海辺の町の和菓子屋blog。手づくり工房から和菓子の愉しさ紹介します。


by wagashi_yoshino

茶席上生菓子『深見草』

茶席上生菓子『深見草』_c0050395_1142755.jpg


「煉切の注文をしたいのですが、いいですか?」

ここ最近、お客様から煉切のご注文が多くなりました。
それも直接「煉切」と、素材指定されることが多くなり
これも和菓子工房吉野のお客様のお好みなのだろうと感じています。

「毎週火曜日に煉切を5個」ご注文頂いている
お客様がおりまして、作り手にとっては中々の課題。
毎回、違う「菓子名」・「姿」・「色彩」・「中あん」を組み合わせて
ひとつの上生菓子を作り上げますが
ひとつの素材、煉切だけで
月に4種、年間48種の上生菓子づくりは
今までの上生づくりの技術を腕試しされているようで
身が引き締まる感じがします。
さらに言えば、刺激にもなります。
自らの持っている技術を駆使しそれを使い果たすことで
何か新しい技法を試んで、自分に取り込もうとするからです。

煉切は和菓子職人が腕を揮う「手作り菓子の極み」

本日の和菓子は
茶席上生菓子『深見草』 ふかみぐさ

今年の春に静岡伊勢丹デパートで開催された
イベント茶会「駿府各流大茶会」に納めた煉切製の牡丹です。
深見草とは牡丹の別名。

ご依頼されたお茶の先生や生徒さんたちにも
お褒めの言葉を頂きました。
薯蕷饅頭や包丁物とは
一味違う趣のある姿は優雅ですが
かなり大量のオーダーでしたので、肩もこりました(笑)

同じ茶席上生菓子といっても
容器に流したり蒸したりしたものを四角に包丁して仕上げる
いわゆる「包丁物」とは、だいぶ生産効率が違います。
煉切は比較的時間を必要とするので
手際よくサクサク仕上げるのも
和菓子職人として必要不可欠な技術なのです。


by wagashi_yoshino | 2010-05-21 01:22 | 新緑の頃