茶席上生菓子『石竹』

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時が流れました・・・季節は初夏模様です。
午後の陽射しはずいぶんと暑くなり
窓からは爽やかな風が吹きこむようになりました。

この時期にしては、かなり多い件数のご注文
(件数は多いのですが、一口の量は少なめ)
の細かな対応に追われています。

このシーズンに、ご注文頂くのは
柏餅や桜餅、三色だんごなど・・・どちらかというと春の和菓子。
ちょうど夏和菓子の入替えをしているのですが
春和菓子も作っているため、中々切り替えが進みません。

蕨餅、笹麩まんじゅう、水羊羹、白玉あんみつ。
あれも、これも、と作りたいと思う気持ちだけが空回りして
時間だけが過ぎていく日々です。

ひとり仕事だと、ご注文を優先するが余り
店売りの和菓子を作る時間や余裕がなくなったりすることもあります。
いくら一生懸命に作っても時間が足りないわけです。
でも、結局一つ一つ作っていくしかないわけですから
あせる心を抑えつつ
ここは腰を据えて取り掛かることにします。

プロの仕事は「同じ質」の仕事を繰り返し行わなければなりません。
身につけた技術や能力をフルに発揮して
その仕事を継続させることが必要です。
つまり「質の継続」ということになるわけです。
まさに『継続は力なり』

本日の和菓子は初夏の
茶席上生菓子『石竹』せきちく

薄紅色に染めた煉切に
自家製小豆こしあんを包み、木型で仕上げます。
仕上げに竹の葉のように細い
抹茶羊羹の葉を添えて。

別名を唐撫子(カラナデシコ)といいます。
岩間に竹のような葉をつけて花を咲かせることから
石竹という名が付いたそうです。

この石竹・・・
開花時期は春からなのですが、季語としては夏。
和菓子では「初夏にふさわしい花」ではないでしょうか。


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Commented by あやや at 2008-05-25 23:16 x
私は北海道に住んでいるので、いつもこちらのお菓子で季節を先取りして楽しませていただいています。
季節ごとにいろいろ創作されて、ひとつひとつ作っていかれるのは、本当に手間隙のかかることでしょうね、感服致します。
この美しい薄紅色の色合い、赤に青が少し入っているのでしょうか、
いかにも初夏をおもわせる色合いですね。



Commented by wagashi_yoshino at 2008-05-27 01:36
●あややさん
そ~か、温かな静岡なので季節感はだいぶ早いかもしれませんね。
毎日が和菓子作りの連続なので日常化すると、季節を感じ取ることが、鈍くなってしまいがちなんですよ。ある意味、感覚が麻痺してしまっているのかもしれないので、なるべく自然に触れて、季節を感じるようにしています。デジカメの色合いって、濃い目に写し出されますね。
見た目はかなり淡い色です。
Commented by snowshoe at 2008-05-27 20:50 x
和菓子ってホントに素晴らしい!日本を離れてあらためてそう思います。
ここ、アメリカ東海岸、カナダに近い小さな街は
今ちょうど白や紫のライラックが満開。
これからいろいろな花が待っていたかのように咲き出し、色鮮やかな季節を迎えます。
ここではおいしい和菓子は手に入らないので、小豆を煮ては真似事で作ってみます。一度ではなかなかうまくいきませんから、何回も繰り返してトライし、家族にほめてもらうとうれしいですね。
吉野さんの和菓子は故郷の静岡を思い出しながら、毎回どんな和菓子がでてくるのかとてもたのしみにしています。

Commented by wagashi_yoshino at 2008-05-28 00:37
●snowshoeさん
はじめまして・・・ですよね。いらっしゃいませ。
満開のライラックの花々!・・・さぞ美しい光景でしょうね。アメリカの東海岸ですか~花々が咲き誇るカラフルなシーズンは、過ごし易い時期ではないでしょうか。煮小豆の匂いや餡の風味、おはぎやだんごなどの素朴な和菓子ほど郷愁を誘うものです。吉野の和菓子で故郷、静岡の思い出とともに心も癒して頂ければ嬉しいです。
by wagashi_yoshino | 2008-05-25 18:33 | 初夏の頃 | Comments(4)

駿河湾の潮風に吹かれて。海辺の町の和菓子屋blog。手づくり工房から和菓子の愉しさ紹介します。


by wagashi_yoshino