茶席上生菓子『清流』

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本日の和菓子は
茶席上生菓子『清流』

初夏らしい無地錦玉羹の流し物。
中には蜜漬け大納言小豆をほどよく散らし
小豆羊羹製の鮎を泳がせて涼しげに・・・。
透明感を見せたかったので表面はフラットに。

錦玉の材料は冷水・寒天・砂糖・水飴で作ります。
とてもシンプルな和菓子ですが
錦玉の柔らかさ、按配にも好みがあったりします。

流すポイントは錦玉液の温度と時間の管理。
錦玉羹の液がようやく固まり始める温度と時間の按配を
「半止まり」(はんどまり)と言います。

錦玉液の「半止まり」をうまくコントロールして
中間に蜜漬け小豆と羊羹の鮎を
ちょうどよく配置させないといけません。

基本的には型から外し、逆さのままカットする流し物。
最終的に底面が最上面に来るわけで
つまり、「逆さ仕込み」の作業をしていくわけです。

タイミングが早いと蜜漬け小豆や羊羹の鮎は
すべて沈んでしまいます。
ということは、仕上がりでは全部上面に出てしまうわけです。

逆に作業が遅く錦玉が固まってしまうと、もっとダメ。
型から外したときに分離し崩れてしまいます。
包丁してもキレイで平らなカット面が出来ないわけです。

ステンレス製の流し型の箱「羊羹舟」(ようかんぶね)に
流し入れて一度に40個の清流を作るわけですが
上手く配置させるには経験と技術が必要です。

涼しげな和菓子ですが
作るときは、やはり熱い思いをしなければなりません(汗)

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Commented by nagao55m at 2008-06-17 15:31
とっても涼しげな御菓子ですね。
ながお。です。
また目移りしそうです^^;
明日は楽しみにしております。お手数おかけしてすみませんでした。
よろしくお願いいたします。
Commented by tomo114t at 2008-06-17 16:36
こんにちは!お見事です。小豆と鮎の配置、よく磨かれた鏡のように美しいカット面、これは一筋縄ではいかないですね。
目で見て涼しくなって季節を感じられて、さらに食べられて美味しいなんて、和菓子って素晴らしいーと改めて思いました。tomo
Commented by 和菓子大好き@ケニア at 2008-06-17 23:25 x
あまりの美しさにコメントせずにいられません。
美しい和菓子は、芸術作品そのもの!
食べるのもったいな~いと思いながらも、やっぱり食べたいです。
Commented by wagashi_yoshino at 2008-06-18 01:56
●nagao55mさん
この度は吉野をご利用頂きましてありがとうございます。
おかげさまで、このブログ経由での生菓子のお問い合わせもあり
出来る限りご希望に副えるように細かな対応もしております。
同じ鮎でも素材によって様々な表現方法があるわけなのですね。
今回の薯蕷饅頭は、まさしく鮎を表現したので比較できます。
またご歓談の様子やご感想などお聞かせ願えれば幸いです。
Commented by wagashi_yoshino at 2008-06-18 01:57
●tomo114tさん
tomoが作るポストレのように一皿にまとめるとなると、同じ鮎でもまったく違ったアレンジや表現方法があるんだろうと思うわけ。
基本的にテイクアウトする和菓子は、限られたスペースの中で
どう表現するするのか?まず、そこから発想するわけです。
ひとつの塊に季節感を凝縮させるのが、和菓子的表現だよね。
でも皿盛りの和菓子も、これからの和菓子界には必要不可欠です。
Commented by wagashi_yoshino at 2008-06-18 01:57
●和菓子大好き@ケニア さん
ありがとうございます。
和菓子に限らず日本の食文化は、四季の季節感を上手に取り込んで表現しますね。旬の食材そのものを美味しく頂くこともそうですし
特に和菓子はあんなど限られた材料で季節感を表現しようとする。そういう意味では、絵画や彫刻と似ているかもしれません。
でも、やはり美味しく食べて頂くことこそ、和菓子の本質なのです。
Commented by tablemei2 at 2008-06-18 21:52
はじめまして!
和菓子を見るの大好きです。ゆっくり過去ログも拝見させていただきますm_・_m
アユの赤もシックで器もお写真も素敵です♪
アジサイ色も可愛い〜雨粒がトッピングされてますね^−^
和菓子って、ほんとに小さな造形ですよね!
Commented by wagashi_yoshino at 2008-06-19 11:31
●tablemei2さん
いらっしゃいませ♪はじめまして。
小豆羊羹だけだと茶色で地味な色合いなので、蜜漬け小豆の色とも重ならないよう赤みを加えた小豆色の鮎に仕立ててあります。
小豆色や紫陽花の紫色は微妙なトーンの色合いを組み合わせて
作るのが、楽しくもあり難しくもあります。
過去の埋もれたログまでも、ご覧頂けて嬉しい限りです。
和菓子を作りながらのマイペースブログですが、これからも宜しく
お願いします。
Commented by nagao55m at 2008-06-19 17:47
こんにちは。
無事に茶会もおわりました。
美味しい和菓子にみなさまもお喜びいただけて・・・
いただくのが勿体ない感じでした。

本日文中リンクをいただいております。
写真が上手くなく申し訳ありません。><

今回はお世話になりありがとうございました!!!
Commented by ぐ~ at 2008-06-20 00:07 x
涼しそうな錦玉羹、こっくり甘さも伝わってきます。
浮かんでいるように泳がせるのには、やっぱり技術が必要だったんですね。
食べるの勿体無いですが、食べたいです~。
Commented by wagashi_yoshino at 2008-06-20 01:16
●nagao55mさん
お茶会お疲れ様でした~大変でしたね。
でもでも、お客様と親しく和やかな時間が過ごせたご様子。
自分も「器のながお」のスタッフの一人になったような気持ちで、ブログレポートをお待ちしておりました。こちらもホッとしております。
ながおさんの美しい器に盛られ吉野の和菓子たちも緊張したのではなかったと想像しています(笑)これからも、どうぞ、ご贔屓に。
ご利用頂きありがとうございました。
Commented by wagashi_yoshino at 2008-06-20 01:17
●ぐ~さん
この錦玉羹は水菓子のように、冷やして召し上がっても「ぐ~」(笑)
錦玉の固まり具合は、そのときの気温なども影響されるものでから
細工の凝り方によっては、なんとも難しい和菓子なのですね。
うまくいかないとお菓子相手に、文句いったりして・・・変な奴です。
食べない方が勿体無いから、やはり食べて下さいね。(笑)
Commented by floretta at 2008-06-22 11:08
こんにちは。
あまりに美しいので思わずコメントしてしまいました。
食べてしまわず、ずっと眺めて飾っていたくなるような和菓子に
感動です。
Commented by wagashi_yoshino at 2008-06-23 12:00
●florettaさん
ありがとうございます♪
和菓子ですので最後には召し上がって頂かないと困ります(笑)
florettaさんの扱うお花のように少しの間でも飾っておければいいのですが、生菓子の魅力の瑞々しさが失われてしまいます。
季節の彩りを表現する和菓子は、花も大切なテーマ。季節の花々を美しくデザインするflorettaさんの作品が、とても勉強になるんですよ。
Commented at 2008-06-26 19:48 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by wagashi_yoshino at 2008-06-27 21:43
●鍵コメ2008-06-26 19:48さん
すごい、すごい、さっそく拝見します。後で、そちらにコメントします。
忙しいのは、こちらも同じです(笑)時間のあるときにじっくりどうぞ。
レポート、楽しみにしていますね。
Commented by nonogon at 2008-07-07 12:45
お久しぶりです♪
これぞ夏の和菓子という感じですね。見ているだけでも涼しい^^
でも作る時は暑い思いをしているんですよね、お疲れ様です(笑

ちなみに私のblogでちょっとした報告があるのでよかったら見に来てください♪
Commented by wagashi_yoshino at 2008-07-07 23:51
●nonogonさん
錦玉羹は夏らしい上生菓子のひとつ。なんと言っても、この涼しげな透明感が、夏にふさわしいでしょ。いろんな応用も出来るしね。
これから、夏になるにつれて、どんどん暑くて熱い作業が増えるので
(笑)和菓子屋にとっては、もっとも過酷な時期なわけです(汗)
いい出来事があったみたいだね。早速nonのところへ遊びに行くね。
by wagashi_yoshino | 2008-06-16 19:29 | 初夏の頃 | Comments(18)

駿河湾の潮風に吹かれて。海辺の町の和菓子屋blog。手づくり工房から和菓子の愉しさ紹介します。


by wagashi_yoshino