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本日も和菓子日和です

駿河湾の潮風に吹かれて。海辺の町の和菓子屋blog。手づくり工房から和菓子の愉しさ紹介します。


by wagashi_yoshino

茶席上生菓子『清流』

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本日の和菓子は
茶席上生菓子『清流』

初夏らしい無地錦玉羹の流し物。
中には蜜漬け大納言小豆をほどよく散らし
小豆羊羹製の鮎を泳がせて涼しげに・・・。
透明感を見せたかったので表面はフラットに。

錦玉の材料は冷水・寒天・砂糖・水飴で作ります。
とてもシンプルな和菓子ですが
錦玉の柔らかさ、按配にも好みがあったりします。

流すポイントは錦玉液の温度と時間の管理。
錦玉羹の液がようやく固まり始める温度と時間の按配を
「半止まり」(はんどまり)と言います。

錦玉液の「半止まり」をうまくコントロールして
中間に蜜漬け小豆と羊羹の鮎を
ちょうどよく配置させないといけません。

基本的には型から外し、逆さのままカットする流し物。
最終的に底面が最上面に来るわけで
つまり、「逆さ仕込み」の作業をしていくわけです。

タイミングが早いと蜜漬け小豆や羊羹の鮎は
すべて沈んでしまいます。
ということは、仕上がりでは全部上面に出てしまうわけです。

逆に作業が遅く錦玉が固まってしまうと、もっとダメ。
型から外したときに分離し崩れてしまいます。
包丁してもキレイで平らなカット面が出来ないわけです。

ステンレス製の流し型の箱「羊羹舟」(ようかんぶね)に
流し入れて一度に40個の清流を作るわけですが
上手く配置させるには経験と技術が必要です。

涼しげな和菓子ですが
作るときは、やはり熱い思いをしなければなりません(汗)

by wagashi_yoshino | 2008-06-16 19:29 | 初夏の頃