物真似?和菓子?? -似せて異なり-
2005年 03月 10日
「枇杷(びわ)の形の生菓子作ってくれませんか?」
時に和菓子屋は、意外なご注文を頂く。
もちろん、果物のびわ。
そのお茶の先生いわく・・・「枇杷の瑞々しさを、お客さまに感じて頂きたくって・・・」
『先生、それなら本物の枇杷を出されたほうがよいのでは・・・』
なんて言えないし。
そのものズバリだから雰囲気やイメージに逃げられない(泣)
お茶菓子には、ときどきこんな具象的なタイプの生菓子があるのです。
あることは、あるのですが・・・。
アレンジのしようがない訳で、見た目にも、そのままを表現しなければいけません。
材料にしたのは『こなし』と呼ばれる白あんに小麦粉などを少し加えた加工あん。
蒸して揉みこむことで、細工しやすいあんになる。
そのこなしを、びわ色に染めて小豆のこしあんを芯に包み込む。
枇杷って言っても和菓子だから、中身は小豆のこしあん。(ちょっと変だけど)
へたは若草色に染めたこなし、後ろの切れ目は和菓子専用の細工ばさみでチョッキンと切れ目を入れる。これで、枇杷の完成・・・ではない。
仕上げに、味じん粉にまぶして枇杷の産毛を表現する。(あ〜、細かいよ〜)
味じん粉っていうのは、落雁(らくがん)を作る時に使う軽い粉。
先生・・・やっと、出来ました・・・。
by wagashi_yoshino
| 2005-03-10 09:00
| 特別な御注文