夏の終わり…秋の予感
2011年 09月 01日
夜、いつの間にか虫の音が聞こえるようになった季節。
日昼の暑さも、ずいぶんと楽になり
名残惜しいように蝉が鳴いています。
夏の終わりは
毎年すごく淋しくて、とても苦手な季節。
ある日、突然やってきて、自分を慌てさせたり、戸惑わせたり。
果たさずじまいの約束や
やり残した事を思い出して悔やんだりします…。
夏の後悔はいつも
してしまったことへのそれではなく
し残したことへの苦く切ないことだったりするのです。
浅草で有名な「ほおずき市」は夏の風物詩。
夏のイメージが強い鬼灯(ほおずき)ですが
真っ赤な色づいた「ほおずきの実」は歳時記では初秋のもの。
俳句の季語も秋なので
人のイメージというのは勝手な思い込みが
かなり強く影響しているんだなぁと実感。
本日の和菓子
茶席上生菓子『鬼灯』 ほおずき
ゆく夏を惜しむかのように、来る秋を悦ぶかのように
燃えるような茜色(あかねいろ)に実った鬼灯(ほおずき)の実を
表した創作茶席上生菓子。
小豆こしあんを芯にして、茜色と梔子色でぼかした
練切に包み、鬼灯の木型で打ち出します。
淡い緑から黄色、オレンジ色・・・そして茜色と
燃えるようなグラデーションが
美しく変化していく、鬼灯の実の様に
季節も晩夏から初秋へ
少しずつ、グラデーションの様に移ろいでゆきます。
夏が終わっていくこの季節は
毎年すごく淋しくて、とても苦手な季節。
でも・・・
やがて必ず来る実りの秋を手に入れるためにも
通らなくてはいけない季節なんだよね。
明日は、新しい秋の中を歩こう。
by wagashi_yoshino
| 2011-09-01 17:13
| 盛夏の頃