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本日も和菓子日和です

駿河湾の潮風に吹かれて。海辺の町の和菓子屋blog。手づくり工房から和菓子の愉しさ紹介します。


by wagashi_yoshino

木の芽の葛焼き

木の芽の葛焼き_c0050395_15852.jpg

一口に和菓子といっても、そのカテゴリーは広く
それぞれに専門店が存在するほど。
どの和菓子を製造、販売し
どのカテゴリーを得意分野にするかで
お店の特徴が決まってきます。

一般の多くの和菓子屋は
季節に応じて、さまざまな「甘み」を製造するわけですが
それでもすべての和菓子を作ることはできません。
限られた時間と製造能力と技術を駆使して
お店のお客様に提供する和菓子を
チョイスしているわけです。

それとは別に作るのが、ご注文商品。
オーダーメイドです。
納品日時と数がハッキリしているので
時と場合によっては店売りよりも優先して作られます。
この春は茶席上生菓子のオーダーを
沢山頂きました。
そして新しい取引先も
茶席上生菓子の定期納品のお客様です。
そこで少し上生菓子に関わる時間が多くなって
このブログも滞り気味です。
でも、その分、茶席上生菓子のことに全力集中し
時間を忘れて没頭することが出来ました。
「本来の職人の姿」なのかもしれませんね(笑)

ここにきて「ようやく」と言うか・・・「やっと」
定期納品のタイミングも分かりつつ
多少の余裕も出てきました。

本日の和菓子は『木の芽の葛焼き』
先日デパートでの春のお茶会で使われた葛菓子です。

お茶の先生と相談していた
葛焼きの意匠がようやく決まりました。
▽以前の記事
春の葛焼き『春霞』
水で溶いた上葛粉と白あんに
砂糖を入れて火にかけ煉りこんでいくと
葛特有な腰の強い半透明な生地になります。
煉り上げた葛種は容器に流し入れてセイロで蒸し上げ
出来上がった生地を
茶巾絞りにして焼き目を入れました。

色目は春から初夏の季節を意識し
薄紅に染めるのを止めて
葛本来の自然な乳白色を生かしました。
頂点にのせたのは木の芽。
爽やかに香る日本のハーブです。

試作でのトッピングは「花穂紫蘇の芽」でしたが
やはり季節が動いていたので変更しました。

これからの時期は冷やして召し上がると
「葛の口当たりのよさ」涼味が感じられて
なお一層美味しく頂ける甘味です。


by wagashi_yoshino | 2008-04-29 02:00 | 工房レポート